⑧なぜショータイムをしたか

苦情・クレーム対応の心構え

前回、苦情対応を「ショータイム」と呼んでいたと書きました。
なぜわざわざ高らかに宣言したか。
普通、受付で「ショータイム」 なんかやる公務員、いませんよ。
公務員が全員ふざけてると誤解されたら困ってしまう。
神戸市職員はみんな真面目ですから。
こんなんだから本庁に回してもらえず、周囲からも「区役所まわり」って馬鹿にされてました。

ショータイムと言い始めたのは阪神大震災後です。
職員だって家族が亡くなってるし、家もない。
もう、みんな疲れ切って、実は私も最後は職場で意識を失って倒れました。
そんな中で、少しでも気分を明るくしたかった。
だって毎日文句を言われるのが判ってて、毎日罵声を浴びるのが判ってて出勤するの、大変で
す。
まして、災害時は緊急出動のため、休暇はありません。
しかも、しばらくは24 時間体制。
地震後3 か月は全員ほぼ無休です。
でも、文句言う市民が悪いわけでもない。
余裕のない緊迫した空気がしんどかった。
「せめて私だけでも市民を笑って帰せる対応をしよう」と決めたんです。
えらいもんでね。私の対応を見た他の市民も一緒に笑ってね。
「あんたオモロイなあ。文句言う気もなくなったわ」って和んだりしてたんですよ。

なぜ、どんな怖い人でも平気だったか。
「文句を言われたらいつでも辞める」覚悟があったからなんです。

地震後の人事異動で「遠くて通えない」と言っていた場所に飛ばされた。
これはヤクザとの対応の仕方を嫌った上司の嫌がらせです。
その人はいつも強面オッサンが来たら隠れてた。
「上司やったら、腹据えて部下の対応見守らんかい!」と吠えた結果です。
子供が小さかったから、本来は組合も入って交渉するはずなのに、私は労組嫌いだったので何のフォローもありませんでした。
だから人事異動の段階で、1 年で辞める覚悟をしたんです。

だけど!最後となった職場の上司は絶対逃げなかった。
私がもめてても本課(本庁)に電話をして
「高山が今対応している市民がそっちに行くかもしれんけどな。
高山の対応には何ら非はないで」と徹底してかばってくださった。
だから「ショータイム」 。
絶対私の所で堰き止める。
上司を引きずり出させることはしない。
責任はいつでもかぶる。いつでも辞めたる。
この覚悟のおかげでか、対応が不満やと言った方はいませんでした。

今もこの覚悟はかわりません。
私のやり方が大企業の人には向かないかも…と言ったのはこのためなんです。
自分の事務所がつぶれたら、スタッフは取引先に移籍させる。
だから安心して働け、と話しています。
仕事が無くなったら、自分の人生も終わり、と決めてます。
これは息子にも小さいころから話し続けています。
母がいつ死んでも、自分を責めるな、と教えてきました。
小学生だった息子は「そない言うとる間は大丈夫やな」と笑ってました。
息子のほうがはるかに腹が据わっていたかもしれません。

今、こうして好き勝手書かせて頂いていることにも感謝です。
不思議なもので、何かトラブルになりかけても、うまく回ってます。
よそから無理を言われたスタッフにも対処法を一緒に考える。
そして「私がおる」と安心したら、スーッとうまくいくんです。

次回は覚悟の決め方についてもう少し詳しく説明しますね。

ここで宿題です。
クレーム対応時に必要な「覚悟」って何だと思いますか?

 

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